精密部品加工向け局所排気装置おすすめ7社|種類・選び方・費用を徹底比較

精密部品加工向けの局所排気装置ってどうなんだろう…

おすすめの製品や費用も詳しく知りたいですね!

精密部品加工の現場では、NC旋盤やマシニングセンタから発生するオイルミスト、研磨・バリ取りによる金属粉じん、レーザー加工や溶接によるヒューム、洗浄・脱脂工程から揮発する有機溶剤・VOCなど、さまざまな汚染物質が発生します。

これらを放置すると、作業者へのばく露だけでなく、製品や測定機器への付着、工場内の汚れ、加工品質への影響につながる可能性があります。そこで重要になるのが、発生源付近から効率良く吸引する局所排気装置や集塵・ミスト回収設備です。

本記事では、精密部品加工向け局所排気装置の選び方、おすすめ製品・メーカー7社、導入メリット、関連法令まで詳しく解説します。

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目次

工事不要で設置できる局所排気装置|比較表

BA500SBA400TBA400S
BA500SBA400TBA400S
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用途・位置づけ揮発性有機溶剤(VOC)用の小型局所脱臭装置。 揮発性有機溶剤(VOC)用の小型局所脱臭装置。揮発性有機溶剤(VOC)用の小型局所脱臭装置。
主な特徴ダブルの活性炭+HEPAフィルタでVOC成分を強力除去。大容量活性炭フィルター、自動流量制御、液晶画面、温度センサーによる安全運転を搭載。 活性炭+HEPAフィルタの2段構成でVOC・臭気・細かい塵に対応。自動流量制御、液晶画面、温度センサーによる安全運転を搭載。 活性炭+HEPAフィルタの2段構成でVOC・臭気・細かい塵に対応。自動流量制御、液晶画面、温度センサーによる安全運転を搭載。 
施工性ダクト工事不要で、低コスト設置・移動対応。 ダクト工事不要、キャスター付きで移動しやすい。 ダクト工事不要、キャスター付きで移動しやすい。 
寸法(H×W×D)975 × 440 × 515 mm ※公式ではBA500T本体仕様として掲載、BA500Sは基本性能・サイズ同等。 745 × 450 × 515 mm。 745 × 450 × 515 mm。 
重量45 kg ※同上。 25 kg。 25 kg。 
電源・周波数115V・50/60Hz ※同上。 100–240V・50/60Hz。 100–240V・50/60Hz。 
騒音値70 dBA未満(最大風速時)。 70 dBA未満(一般的吸引速度時)。 70 dBA未満(一般的吸引速度時)。 
消費電力1,100W。 1,100W。 1,100W。 
最大ブロワー静圧9,600Pa。 9,600Pa。 9,600Pa。 
最大ブロワー吸引率300㎥/hr(推奨200㎥/hr)。 300㎥/hr(推奨200㎥/hr)。 300㎥/hr(推奨200㎥/hr)。 
一次フィルターC001 BA500用フィルター(活性炭、約21kg)。 H001 プレフィルター(不織布、約0.6kg)。 H001 プレフィルター(不織布、約0.6kg)。 
二次フィルターC002 共通フィルター(活性炭・ガラスファイバー、約18kg、捕集効率99%@0.3μm)。 C002 共通フィルター(活性炭・ガラスファイバー、約18kg、捕集効率99%@0.3μm)。 C002 共通フィルター(活性炭・ガラスファイバー、約18kg、捕集効率99%@0.3μm)。 
向いている使い方の傾向VOC対策をより強めたい現場、発散防止抑制措置対応を重視する現場向き。これはダブル活性炭と公式の機種位置づけからの整理です。 粉じん・臭気・VOCをバランスよく抑えたい汎用用途向き。これはフィルター構成と公式説明からの整理です。 BA400Tと同等サイズ・性能で、ステンレス外装を重視したい現場向き。 

精密部品加工に局所排気装置が必要な理由

精密部品加工では、加工方法によってオイルミスト、金属粉じん、ヒュームなどが発生します。こうした物質を発生源付近で捕集し、作業環境や製品への拡散を抑えることが局所排気・集塵設備の重要な役割です。

切削・研削加工で発生するオイルミストを作業者が吸い込むのを防ぐため

NC旋盤やマシニングセンタ、研削盤などでは、工具の冷却・潤滑を目的として切削油を使用するケースがあります。加工中に切削油が高速回転する工具や加工物へ接触すると、細かな油滴となって空気中へ飛散し、オイルミストが発生します。

オイルミストが工場内へ広がると、作業者が吸い込む可能性があるだけでなく、床や壁、工作機械、空調設備などへ油分が付着する原因にもなります。

そのため、発生源となる工作機械にミストコレクターなどを接続し、外部へ拡散する前に捕集することが重要です。アマノなどでも、旋盤・マシニングセンタ・研削盤向けに油性・水溶性ミストへ対応する製品が展開されています。

研磨・バリ取りで発生する微細な金属粉じんの飛散を防ぐため

精密部品の研磨、研削、バリ取りなどでは、加工対象となる金属から細かな粉じんが発生します。大きな切りくずであれば加工機内部へ落下しますが、微細な粒子は空気中へ浮遊し、作業者の呼吸域や工場内へ広がる可能性があります。

さらに、粉じんが製品や治具、測定機器などへ付着すれば、精密加工現場では品質管理にも影響する可能性があります。

対策としては、研磨・バリ取りを行う場所のできるだけ近くへフードを配置し、粉じんが周囲へ拡散する前に捕集する方法が有効です。ただし、金属の種類や粉じんの性質によっては火災・爆発など別のリスクもあるため、対象物質に適した集塵方式を選定する必要があります。

レーザー加工や溶接で発生するヒュームを発生源から除去するため

レーザー加工や溶接では、材料が高温になることで非常に細かな粒子や煙状のヒュームが発生します。レーザーマーカーやレーザー切断などでも加工対象によって煙や臭気が生じるため、発生源付近から吸引することが重要です。

例えばチコーエアーテックでは、レーザーヒュームに特化した小型集塵機を展開しており、フィルターの目詰まりや臭気への対策を行った製品も用意されています。

また、金属アーク溶接などで発生する溶接ヒュームについては、2021年4月から特定化学物質障害予防規則の規制対象となっています。作業内容に応じた換気や呼吸用保護具などのばく露防止対策を適切に行うことが必要です。

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工では、オイルミストや金属粉じん、ヒュームの吸引・飛散を防ぐため、局所排気装置の設置が重要です。

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精密部品加工で発生しやすい有害物質・汚染物質

精密部品加工では、工程によって発生する汚染物質が異なります。適切な局所排気装置を選ぶためにも、まずは自社の加工工程から何が発生しているのかを確認することが重要です。

NC旋盤・マシニングセンタから発生するオイルミスト

NC旋盤やマシニングセンタでは、切削油が高速回転する工具やワークによって微粒子化し、オイルミストとなって飛散することがあります。工作機械の扉を開けた際などに工場内へ拡散する可能性があるため、ミストコレクターによる捕集が有効です。油性・水溶性など使用する切削油に適した機種を選びましょう。

研磨・研削・バリ取りから発生する金属粉じん

研磨、研削、バリ取りでは、金属表面が削られることで細かな粉じんが発生します。粒径の小さい粉じんは空気中へ浮遊しやすく、作業場所だけでなく周辺設備へ広がる可能性があります。発生源付近にフードを配置し、粉じんが拡散する前に吸引することが重要です。

レーザー加工から発生する微細なヒューム・煙

レーザー加工では、材料を局所的に加熱・溶融・蒸発させることで煙状の微細粒子が発生します。レーザーマーキング、切断、穴あけなど用途によって発生量や性質は異なります。レーザー工程専用の集塵機では、微細粒子だけでなく加工時に生じる臭気を活性炭などで低減できる製品もあります。

溶接・ろう付けから発生する溶接ヒューム

溶接では、高温によって金属が蒸気化した後、空気中で冷却されて非常に細かな粒子となり、溶接ヒュームが発生します。特に金属アーク溶接等作業から発生する溶接ヒュームについては、特化則に基づく対策が必要です。作業方法や測定結果などに応じ、換気装置や呼吸用保護具を適切に組み合わせてばく露を抑えます。

洗浄・脱脂工程から発生する有機溶剤・VOC

精密部品では、加工後に付着した油分や汚れを除去するため、洗浄剤や有機溶剤を使用することがあります。アセトン、IPA、MEK、トルエンなど揮発性の高い物質を取り扱うと、作業場へVOCが拡散する可能性があります。

こうした工程では、粉じん用集塵機ではなく、活性炭など対象ガスを処理できる設備が必要です。ベリクリーンエアのBAシリーズでは活性炭とHEPAを組み合わせ、VOCと微粒子の捕集に対応しています。

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工では、オイルミストや金属粉じん、ヒューム、VOCなどが発生するため、適切な排気対策が重要です。 

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精密部品加工向け局所排気装置の選び方

精密部品加工向け局所排気装置は、単純に風量が大きい製品を選べばよいわけではありません。吸引する物質、粒径、発生量、加工機との位置関係などを確認し、用途に適した設備を選びましょう。

オイルミスト・粉じん・ヒュームなど吸引対象に合わせて選ぶ

最初に確認したいのが、何を捕集するための装置なのかという点です。オイルミスト、乾燥した金属粉じん、レーザーヒューム、溶接ヒューム、有機溶剤では、それぞれ適した処理方式が異なります。

例えばNC旋盤から発生する切削油ミストにはミストコレクター、研磨粉じんには集塵機、VOCには活性炭などを利用したガス・臭気対策設備が選択肢になります。

一台であらゆる汚染物質を処理できるとは限らないため、「局所排気装置」という名称だけで判断するのは避けましょう。加工工程、使用材料、使用薬品などをメーカーへ伝え、対象物質に適したフィルターや捕集方式が採用されているか確認することが重要です。

発生する粒子の大きさに適したフィルター性能で選ぶ

粉じんやヒュームを捕集する場合は、発生する粒子の大きさとフィルター性能の組み合わせが重要です。比較的大きな切りくずを回収する設備と、非常に細かなレーザーヒュームを捕集する設備では求められる性能が異なります。

微細粒子を捕集したい場合には、高性能フィルターやHEPAフィルターを搭載した製品などが選択肢になります。一方、大量の粗い粉じんが発生する現場で高性能フィルターだけを使用すると、短期間で目詰まりする可能性があります。

プレフィルターやサイクロンなどで大きな粒子を事前に分離し、その後に高性能フィルターで微粒子を捕集する構成も検討しましょう。捕集効率だけでなく、交換頻度やランニングコストまで確認することが大切です。

発生量に対して十分な吸引風量・静圧がある製品を選ぶ

局所排気装置では、発生した汚染物質を捕捉できるだけの吸引能力が必要です。風量が不足すると、フードの周囲から粉じんやミストが漏れ、十分な効果を得られない可能性があります。

同時に確認したいのが静圧です。ダクトが長い、曲がりが多い、フィルターによる圧力損失が大きいといった条件では、送風機に十分な静圧性能が求められます。

カタログの最大風量だけを見て選ぶのではなく、実際にフード・ダクト・フィルターを接続した状態で必要な吸引性能を確保できるか確認しましょう。法令上の局所排気装置として設置する場合は、対象業務に応じた制御風速などの要件も確認する必要があります。

発生源の近くにフードを設置できる製品を選ぶ

局所排気で重要になるのが、フードと発生源の位置関係です。同じ吸引風量でも、フードが発生源から離れるほど有害物質を効率良く捕集することが難しくなります。

例えば研磨やろう付けなど作業位置が変化する工程では、自由に位置を調整できるフレキシブルアーム型が便利です。ヤマダコーポレーションでは、発生源付近へフードを移動できる複数種類のフレキシブルアームを展開しています。

一方、工作機械内部でミストが発生する場合には、加工機の筐体から直接ダクトを接続する方法もあります。作業方法と発生源の位置を確認したうえで、効率良く吸引できるフード形状・配置を検討しましょう。

工作機械へ直接取り付けられるか確認する

NC旋盤やマシニングセンタのオイルミスト対策では、ミストコレクターを工作機械へ直接取り付ける方法があります。機械内部からミストを吸引できれば、扉を開けたときに工場へ大量のミストが流出するのを抑えやすくなります。

ただし、機械上部への搭載が可能か、ダクト接続口を確保できるか、本体重量を支えられるかなどの確認が必要です。

また、強く吸引しすぎることで加工機内部の気流やクーラントの状態へ影響する可能性もあるため、工作機械の容積や発生ミスト量に合わせて適切な風量を設定します。既存設備への後付けを予定している場合には、現地調査を依頼して設置方法まで提案してもらうと安心です。

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工向け局所排気装置は、吸引対象や粒子径、風量・静圧、フードの設置性、工作機械への取付可否で選びましょう。 

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精密部品加工におすすめの局所排気装置

精密部品加工の洗浄・脱脂・接着などでVOC対策を行いたい場合には、工事不要で設置できる可搬型装置も選択肢です。ここではベリクリーンエアが展開するBAシリーズ3製品を紹介します。

BA500S(高性能な主力モデル)

BA500Sは、VOCや有機溶剤を使用する精密部品の洗浄・脱脂・接着などの工程におすすめの高性能モデルです。大容量の活性炭フィルターを搭載し、さらにHEPAを組み合わせることで、揮発性有機化合物と微細粒子の処理に対応しています

メーカー公表値では最大ブロワー静圧9,600Pa、最大吸引量300㎥/h、推奨200㎥/hとなっています。また、BA500シリーズは局所排気装置に代わる「発散防止抑制措置」として正式認定された製品として案内されています。ただし、実際に法令上の代替措置として使用する場合には所轄労働基準監督署への手続きや適用条件の確認が必要です。

切削油ミスト専用機というより、精密部品加工に付随するVOC・有機溶剤工程に向いた製品です。

BA400T(汎用的なバランスモデル)

BA400Tは、VOCや有機溶剤の臭気対策を工事不要で行いたい現場に適した集塵・脱臭機です。活性炭と高性能フィルターを組み合わせた構造で、溶剤蒸気と細かな粒子の処理に対応しています。

本体はキャスター付きで、ダクト工事を伴う固定式局所排気設備と比較して作業場所を変更しやすいことも特徴です。最大ブロワー静圧は9,600Pa、最大吸引量300㎥/h、推奨200㎥/hと案内されています。

精密部品加工では、IPAやMEKなどを使用する洗浄、脱脂、接着、印刷などの局所的な臭気・VOC対策に活用しやすいでしょう。なお、BA500シリーズとは法令上の位置付けが異なるため、有機則対応を目的とする場合には事前確認が必要です。

BA400S(コンパクトな標準モデル)

BA400Sは、BA400Tと基本性能・サイズを共通化しながら、外装にステンレスを採用したモデルです。本体寸法は高さ745×幅450×奥行515mm、重量25kgで、キャスターによって工場内を移動できます。

活性炭と高性能フィルターを組み合わせ、精密加工後の洗浄工程などから発生するVOCや臭気、微細粒子を処理できる構成です。そのため、大規模なダクト工事を避けながら、特定の作業場所周辺で局所的に吸引したい場合に検討できます。

ステンレス外装を生かし、設備周辺の清掃性や外装の耐久性を重視する工場にも適しています。BA400Tと同様に、切削油専用ミストコレクターではないため、NC旋盤などのオイルミスト対策では専用機と比較して選びましょう。 

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工には、高性能なBA500S、バランス型のBA400T、コンパクトなBA400Sがおすすめです。

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精密部品加工で局所排気装置を導入するメリット

局所排気装置は作業者へのばく露対策だけでなく、製品品質や設備保全、清掃負担の軽減にも役立ちます。特に高い寸法精度や清浄度が求められる精密部品加工では、作業環境を整えるメリットが大きいです。

作業者の粉じん・オイルミストへのばく露を抑えられる

局所排気装置の大きなメリットは、粉じんやミストなどを作業者へ届く前に発生源付近で捕集できることです。全体換気だけでは、有害物質が一度作業場へ拡散してから薄める形になり、作業者の呼吸域を通過する可能性があります。

一方、局所排気は発生した場所の近くで吸引するため、適切に設計・使用すれば周辺への拡散を抑えられます。

ただし、設備を設置しただけで安全が確保されるわけではありません。フードの位置、吸引風量、フィルター状態などによって性能は変化します。対象物質のリスクアセスメントを行い、必要に応じて呼吸用保護具なども組み合わせることが大切です。

精密部品への粉じんや油分の付着を防ぎやすくなる

精密部品は、わずかな粉じんや油分の付着が後工程へ影響する場合があります。例えば洗浄後の部品へ周辺設備からミストが再付着すれば、表面処理や接着などへ影響する可能性があります。

また、研磨粉じんが別工程へ飛散すると、完成品や治具へ異物が付着する原因にもなります。

発生源でミストや粉じんを捕集すれば、工場内を漂う汚染物質の量を減らしやすくなり、製品への再付着防止につながります。特に電子部品、光学部品、医療機器部品など、異物管理が重視される製造現場では大きなメリットです。

局所排気だけに頼らず、清掃、工程分離、エアシャワーなどと組み合わせて清浄度を管理するとよいでしょう。

加工精度や製品品質を安定させやすくなる

精密部品加工では、製品表面や測定環境を清潔に維持することが品質管理につながります。大量のオイルミストや粉じんが工場内に浮遊すると、ワーク、治具、工具、測定機器などへ付着する可能性があります。

こうした汚れを発生源から回収できれば、製造環境を一定に保ちやすくなります。

特にミクロン単位で精度を管理する現場では、加工設備だけでなく測定工程の環境整備も重要です。ただし、局所排気装置を導入すれば直接的に加工精度が上昇するという意味ではありません。

異物や油分による不具合要因を減らし、設備や測定環境を良好な状態へ保つことで、結果として品質の安定化を支援する設備と考えるとよいでしょう。

工作機械や測定機器への汚れの付着を抑えられる

オイルミストや粉じんは作業者だけでなく、周囲に設置された工作機械、制御盤、測定機器、パソコンなどにも付着します。特に油分を含んだミストへ粉じんが付着すると、設備表面に粘着性のある汚れが形成され、清掃に手間が掛かります。

ミストコレクターや集塵機を利用して発生源で回収すれば、こうした汚れが周囲へ広がる量を減らせます。

精密測定機器や制御機器は長期間安定して使用する必要があるため、周辺環境を清潔に保つことも重要です。局所排気装置を導入する際には、作業者の安全だけでなく、設備保護やメンテナンス負担を含めて費用対効果を評価しましょう。

工場内の床・壁・空調設備への油汚れを軽減できる

オイルミストが工場全体へ拡散すると、時間の経過とともに床、壁、天井、照明器具、空調フィルターなどへ油分が付着します。床へ油が付着すれば滑りやすくなる可能性があり、日常的な清掃負担も増加します。

また、空調設備がミストを吸い込むと、フィルターや内部部品の汚れが早く進む場合があります。

工作機械ごとにミストコレクターを設置したり、発生源周辺で局所的に吸引したりすることで、工場全体へ流出するミスト量を抑えやすくなります。

清掃作業や設備メンテナンスに掛かる時間まで含めれば、局所排気設備は単なる環境対策ではなく、工場全体の維持管理を効率化するための設備としても活用できます。

排気装置コンシェルジュ

局所排気装置の導入により、作業者のばく露や設備の汚れを抑え、精密部品の加工精度・品質の安定化につながります。 

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精密部品加工で局所排気装置を導入する際の注意点

局所排気装置は、適切な機種選定と設置を行わなければ十分な効果を発揮できません。特に精密加工では、吸引能力だけでなく加工工程や製品への影響まで考慮して設備を設計する必要があります。

吸引風量が強すぎると加工や製品に影響する可能性がある

局所排気装置は吸引力が強ければ強いほどよいとは限りません。例えば軽量な部品や粉体を扱っている工程では、過剰な気流によって製品や材料が動いてしまう可能性があります。

また、加工機内の空気を必要以上に排出すれば、設備内の圧力バランスなどへ影響するケースもあります。

そのため、発生物質を確実に捕集しながら、加工へ悪影響を与えない適切な風量へ調整することが重要です。インバーターや自動風量制御を備えた設備であれば、作業状態に応じた調整もしやすくなります。

装置の最大風量だけで性能を判断せず、フード形状や距離も含めて必要な風量を算出してもらうことがおすすめです。

フードと発生源の距離が離れると捕集効率が低下しやすい

局所排気ではフードをどこに設置するかが非常に重要です。発生源からフードが離れるほど周囲の空気まで大量に吸い込む必要があり、有害物質だけを効率的に捕捉することが難しくなります。

そのため、作業を妨げない範囲で、できるだけ発生源の近くにフードを配置することが基本です。

作業位置が頻繁に変わる溶接、研磨、ろう付けなどでは、自由に位置を動かせるフレキシブルアームが便利です。一方、工作機械内部など発生位置が一定の場合には、囲い式フードや機械へ直接接続する方式も検討できます。

風量を増やす前に、まずフードを発生源へ近づけられないか検討すると効率的な排気設備を構築しやすくなります。

粉じんとオイルミストでは適切な集塵方式が異なる

金属粉じんとオイルミストは、同じ「空気中に浮遊する汚染物質」であっても性質が大きく異なります。乾燥粉じんにはフィルター式集塵機などが利用されますが、油分を多く含むミストを通常の粉じん用フィルターで処理すると、目詰まりや性能低下につながる可能性があります。

オイルミストには、フィルター式、電気集塵式、遠心分離式など専用のミストコレクターが用意されています。例えばアマノは電気集塵式・フィルター式・フィルターレスなど複数方式をラインナップしています。

一つの装置ですべてを処理しようとせず、各工程で何が発生しているかを確認し、それぞれに適した捕集方式を選びましょう。

切削油・薬品の種類によっては専用フィルターが必要になる

精密加工現場では、水溶性切削油、油性切削油、洗浄剤、アルコール、有機溶剤などさまざまな液体を使用します。そのため、設備を選ぶ際には使用する物質の名称やSDSを確認し、フィルターや本体材質が対応できるか確認することが重要です。

例えば有機溶剤蒸気の除去には、一般的な粉じんフィルターだけでは十分ではなく、対象物質を吸着できる活性炭などが必要になります。一方で油性ミストが大量に発生する工作機械では、ミスト専用の捕集構造が適しています。

メーカーへ問い合わせる際には「精密部品加工で使用する」とだけ伝えるのではなく、切削油や溶剤の商品名、使用量、作業時間、発生状況などを伝えることで、より適した機種を提案してもらえます。

フィルターの目詰まりを放置すると吸引性能が低下する

局所排気装置や集塵機では、使用を続けるほどフィルターに粉じんや油分が蓄積します。フィルターが目詰まりすると圧力損失が大きくなり、フード部分で十分な吸引性能を確保できなくなる可能性があります。

外見上は装置が正常に動いていても、導入当初より捕集能力が低下していることがあるため注意が必要です。

差圧計やフィルター警報機能などがある製品であれば、交換時期を把握しやすくなります。また、前処理フィルターや自動クリーニング機能によってメインフィルターの交換頻度を減らせる製品もあります。

本体価格だけでなく、フィルター価格、交換頻度、清掃方法なども確認し、長期間性能を維持できる保守計画を立てましょう。

排気装置コンシェルジュ

局所排気装置は、適切な風量や設置位置、集塵方式・フィルターを選び、定期的な点検・交換を行うことが重要です。

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精密部品加工の局所排気装置に関係する法令・規則

精密部品加工では、使用する化学物質や作業内容によって労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則、粉じん障害防止規則、特定化学物質障害予防規則などが関係します。自社の作業がどの規制対象となるか確認することが重要です。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成することを目的とする法律です。精密部品加工の現場でも、機械設備だけでなく、化学物質や粉じんなどによる健康障害を防止するための対策が求められます。

近年は化学物質の自律的管理が強化されており、事業者によるリスクアセスメントや、結果に基づくばく露低減措置がより重要になっています。

局所排気装置はそうしたばく露低減方法の一つですが、すべての工程で同じ設備を導入すればよいわけではありません。SDSなどをもとに使用物質の危険性・有害性を確認し、作業方法、使用量、発散状況などを踏まえて必要な対策を検討しましょう。

有機溶剤中毒予防規則

有機溶剤中毒予防規則、いわゆる有機則は、一定の有機溶剤を使用する作業において労働者の健康障害を防止するための規則です。精密部品加工では、洗浄、脱脂、接着などの工程で対象となる有機溶剤を使用する可能性があります。

作業場所や業務内容、使用量などの条件によって、局所排気装置やプッシュプル型換気装置などの設置が必要になる場合があります。

また、局所排気装置にはフード形式に応じた制御風速などの性能要件があります。排風機や排気口についても規定があるため、単純に市販の吸引機を置けば有機則を満たせるわけではありません。対象物質を使用する際には、所轄労働基準監督署や専門業者へ確認しましょう。

粉じん障害防止規則

粉じん障害防止規則は、粉じん作業による労働者の健康障害を防止するための規則です。金属を研磨・研削するすべての作業が一律に同じ規制となるわけではなく、粉じん障害防止規則に定められる「粉じん作業」「特定粉じん作業」などに該当するかを具体的な作業内容から判断する必要があります。

対象となる場合には、局所排気装置やプッシュプル型換気装置などの設備対策、呼吸用保護具など所定の対策が必要になるケースがあります。

精密部品加工では研削、研磨、材料処理など複数の工程が存在するため、工場全体を一括して判断するのではなく、作業ごとに発生物質と規制への該当性を確認しましょう。特に新しい材料・加工方法を導入する場合は事前確認が重要です。

特定化学物質障害予防規則

特定化学物質障害予防規則、いわゆる特化則は、特定化学物質による労働者の健康障害を防止するための規則です。精密部品加工では、使用薬品だけでなく、溶接工程も関係する可能性があります。

厚生労働省は溶接ヒュームを特定化学物質の第2類物質へ追加し、2021年4月から規制を適用しています。金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場では、溶接ヒューム濃度の測定などが求められる場合があります。

また、対象となる局所排気装置などには定期自主検査に関する規定もあります。法令への対応は物質・工程によって異なるため、導入前に専門家や所轄機関へ確認しましょう。

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工の局所排気装置は、労働安全衛生法や有機則、粉じん則、特化則などの法令・規則を確認する必要があります。

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精密部品加工向け局所排気装置おすすめ7社

精密部品加工向けの排気・集塵設備は、メーカーによって得意分野が異なります。ここでは、VOC、オイルミスト、金属粉じん、レーザーヒューム、溶接ヒュームなどの対策を検討できるメーカー・設備会社7社を紹介します。

ベリクリーンエア|工事不要で設置できる排気装置を提供

おすすめポイント
・工事不要で設置できるBAシリーズを展開
・VOC・有機溶剤と微粒子の処理に対応
・BA500シリーズは発散防止抑制措置対応製品として展開

ベリクリーンエアは、揮発性有機溶剤除去装置や集塵・脱臭設備を提供する大阪府の企業です。BAシリーズは活性炭とHEPAを組み合わせ、アセトン、IPA、MEK、トルエン、キシレンなどのVOCと微粒子を同時に処理できる構成となっています。

BA400S・BA400Tは局所排気用途へ応用できる可搬型製品として提供され、BA500シリーズについては発散防止抑制措置対応製品として案内されています。ダクトを建屋全体へ施工する固定設備とは異なり、大規模な工事を避けながら導入しやすい点が特徴です。

精密部品の洗浄・脱脂・接着工程など、有機溶剤やVOCへの対策を検討している工場に適しています。また、販売だけでなくリース・レンタルも事業内容として掲げています。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地大阪府大阪市北区天満4丁目15番12号
依頼がおすすめな方VOC・有機溶剤対策を工事不要で行いたい精密部品工場

アマノ株式会社|オイルミストから微細粉じんまで幅広い集塵設備に対応

おすすめポイント
・工作機械向けミストコレクターが豊富
・油性・水溶性ミストの双方へ対応する
・ラインナップ設計・施工・メンテナンスまで対応

アマノ株式会社は、工場向けの集塵設備やミストコレクターなどを幅広く展開する環境システムメーカーです。ミストコレクターでは電気集塵式、フィルター式、フィルターレスなど複数方式を用意しており、油性ミスト・水溶性ミストに対応する製品があります。

切削盤、旋盤、マシニングセンタ、フライス盤、研削盤など、さまざまな工作機械向け製品が用意されているため、精密金属加工との相性が良いメーカーです。

また、会社として製品の企画・設計・製造だけでなく、施工・メンテナンスまで事業に含めています。工作機械単体のミスト対策から工場全体の環境改善まで、幅広い規模の設備導入を相談したい企業におすすめです。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地神奈川県横浜市港北区大豆戸町275番地
依頼がおすすめな方NC旋盤・マシニングセンタなどのオイルミスト対策を行いたい方

チコーエアーテック株式会社|精密加工・レーザー工程向けの小型集塵機が豊富

おすすめポイント
・小型・高性能な局所集塵機を豊富に展開
・レーザーヒューム専用シリーズを用意
・装置周辺へ組み込みやすいコンパクト製品が多い

チコーエアーテック株式会社は、小型集塵機を専門的に開発・製造しているメーカーです。局所集塵という考え方を重視し、製造設備の近くへ設置しやすいコンパクトな集塵機を多数展開しています。

特に精密部品加工で注目したいのがレーザーシリーズです。レーザーヒュームに特化したモデルでは、粘着性のあるヒュームによるフィルター目詰まりを抑える構造や活性炭カセットによる臭気対策などが採用されています。

レーザーマーキング、レーザー切断、微細加工などを行っており、大型集塵設備ではなく加工装置ごとに小型集塵機を配置したい企業におすすめです。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地大阪府箕面市白島2丁目27番24号
依頼がおすすめな方レーザー加工や装置組込み用の小型集塵機を探している方

株式会社ヤマダコーポレーション|フレキシブルアームによる発生源付近の局所排気に対応

おすすめポイント
・豊富なフレキシブルアームを展開
・溶接ヒューム向けコレクターを用意・
・卓上作業から大型作業まで構成を選びやすい

株式会社ヤマダコーポレーションは、局所排気装置、ヒュームコレクター、フレキシブルアームなどを展開しています。

同社のフレキシブルアームは、発生場所に応じてフード位置を調整できるため、研磨、ろう付け、溶接など発生源の位置が変化する作業に適しています。標準型だけでなく、伸縮型、大口径型、静電気対策を考慮したモデルなど複数シリーズが用意されています。

また、溶接ヒューム向けのウェルドフィルターユニットや、卓上作業で発生する臭気・煙・微細粉じん向けのベンチトップシステムも展開しています。作業者の近くでピンポイントに吸引したい精密加工工場に適したメーカーです。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地東京都大田区南馬込1丁目1番3号
依頼がおすすめな方研磨・ろう付け・溶接など発生源へフードを近づけたい方

株式会社吉田工業|局所排気・オイルミスト設備の設計から施工まで対応

おすすめポイント
・局所排気設備を設計から施工まで依頼できる
・油煙・オイルミスト集塵設備にも対応
・定期自主検査やメンテナンスにも対応

株式会社吉田工業は、新潟県燕市に本社を置き、集塵、局所排気、換気設備などを手掛けている企業です。

単体の集塵機を販売するだけではなく、局所排気装置や集塵設備の設計・施工に対応している点が特徴です。油煙・オイルミスト集塵機の設計・施工、プッシュプル型換気設備、クリーンルームなどにも対応しています。さらに、定期自主検査やメンテナンス、労働基準監督署向け書類作成も業務として案内しています。

そのため、既製品を購入するだけでは対応しにくい大型の精密加工ラインや、複数工程をまとめて排気したい工場などにおすすめです。現場に合わせてフードやダクトまで設計してもらいたい場合にも相談しやすいでしょう。

項目内容
依頼費用目安要現地調査・見積もり
会社所在地新潟県燕市吉田法花堂1853-8
依頼がおすすめな方局所排気設備を設計・施工・保守までまとめて依頼したい方

赤松電機製作所|工作機械のオイルミスト・油煙対策に強い

おすすめポイント
・ONIKAZEミストコレクターを展開
・水溶性から油性まで幅広い油種への対策を提案
・オイルミストに加えてヒュームコレクターも展開

株式会社赤松電機製作所は、大阪府に本社を置く環境機器メーカーで、ONIKAZEブランドのミストコレクターなどを提供しています。

同社では、水溶性から油性まで幅広い油種に対応するミストコレクターを展開しており、金属加工工場におけるオイルミスト対策を得意としています。また、メンテナンス頻度を抑えるための独自構造や、省エネを意識したモデルなど複数シリーズが用意されています。

会社概要でもミスト除去装置やヒュームコレクターなどの環境機器を事業として掲げています。

NC旋盤、マシニングセンタ、研削盤などから発生するオイルミストを重点的に改善したい精密金属加工工場におすすめです。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地大阪府大阪市東成区深江北1丁目17番24号
依頼がおすすめな方工作機械から発生するオイルミスト・油煙を重点的に対策したい方

株式会社アピステ|加工機に設置しやすいミストコレクターを展開

おすすめポイント
・工作機械向けミストコレクターを展開高性能
・ディスク式・サイクロン式から選択可能
・メーカーによる直接サポート体制を提供

株式会社アピステは、環境改善機器や冷却機器などを開発・販売するメーカーです。オイルミスト対策ではGMEシリーズのミストコレクターを展開しています。

高性能ディスク式のGME-S-Proでは、複数段階でミストを捕集する構造を採用しており、最大風量の異なる複数モデルを用意しています。また、サイクロン式のGME-S-ecoもラインナップされているため、加工機の規模や発生するミスト量に合わせて選びやすい点が特徴です。

代理店だけに依存せずメーカー担当者が直接サポートする体制や、在庫商品を迅速に出荷する仕組みも案内されています。精密加工機ごとにミストコレクターを導入したい工場におすすめです。

項目内容
依頼費用目安要見積もり
会社所在地大阪府大阪市北区堂島浜1丁目4番16号
依頼がおすすめな方工作機械ごとにコンパクトなミストコレクターを設置したい方
排気装置コンシェルジュ

精密部品加工向け局所排気装置は、各社で対応物質や設置方法が異なるため、加工環境や用途に合わせて比較しましょう。 

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精密部品加工向け局所排気装置を導入する流れ

精密部品加工向け局所排気装置は、カタログだけで機種を決めるのではなく、発生物質の特定から設計、施工、性能確認まで順番に進めることが重要です。一般的な導入の流れを解説します。

STEP
加工工程と発生している有害物質を確認する

最初に、どの工程で何が発生しているのかを整理します。NC旋盤であれば切削油ミスト、研磨工程であれば金属粉じん、レーザー工程ではヒューム、洗浄工程ではVOCなど、発生物質によって必要な設備が異なります。

切削油や洗浄剤など化学製品を使用している場合にはSDSも確認しましょう。

同じ工場でも複数種類の汚染物質が発生している場合、一台の大型設備へすべて接続するより、工程ごとに専用設備を配置した方が効率的なケースがあります。

メーカーへ相談する前に、加工機、使用材料、薬品、作業時間、作業人数、発生状況などを一覧化しておくと、適した設備を提案してもらいやすくなります。

STEP
粉じん・ミスト・VOCなどの発生状況を測定する

次に、対象となる粉じん、ミスト、VOCなどがどの程度発生しているのか確認します。目視で大量の煙が見えているから危険、見えていないから安全と単純に判断することはできません。

特に微細粒子や有機溶剤蒸気は肉眼では確認しにくいため、必要に応じて濃度測定や作業環境測定などを行います。

測定を行うことで、どの作業時に濃度が高くなるのか、既存の換気設備でどの程度改善できているのかなども把握できます。

法令で測定が求められる作業については、定められた方法で適切に実施することが必要です。専門的な判断が必要な場合には、作業環境測定機関や設備会社などへ相談しましょう。

STEP
必要な吸引風量・制御風速を算出する

発生物質と作業状況を確認したら、必要な吸引性能を決めます。局所排気装置では、フード形状、開口面積、発生源との距離、ダクト抵抗などを踏まえて必要風量を計算します。

法令で局所排気装置の性能要件が定められている作業では、所定の制御風速などを満たす設計が必要です。単純に「最大風量が最も大きい集塵機」を選ぶのではなく、設備へ接続した状態で必要性能を確保できるか確認しましょう。

また、風量が大きすぎればエネルギー消費や騒音が増えたり、加工工程へ影響したりする可能性があります。必要な能力を適切に算出し、過不足のない設備を導入することが重要です。

STEP
フード・ダクト・集塵機の配置を設計する

局所排気装置では集塵機本体だけでなく、フードとダクトの設計が重要です。発生源からフードまでの距離をできるだけ短くし、粉じんやミストが作業者側へ流れる前に捕集できる位置へ配置します。

ダクトについても、必要以上に長くしたり曲がりを増やしたりすると圧力損失が大きくなります。工作機械に直接接続する場合には加工機上部や側面への設置方法、メンテナンススペースなども確認しましょう。

複数台を一つの集塵設備へ接続する場合には、各枝管で必要な風量を確保できる設計が必要です。将来的な設備増設まで予定している場合は、最初から増設を想定したダクトや送風機容量を検討するとよいでしょう。

STEP
複数メーカーから現地調査・見積もりを取る

導入する設備がある程度決まったら、複数メーカーへ現地調査と見積もりを依頼するのがおすすめです。同じ加工工程でも、メーカーによって提案される方式や設備構成が異なることがあります。

比較する際には装置本体価格だけを見るのではなく、フード、ダクト、電気工事、据付工事、試運転、フィルター、保守費などまで確認しましょう。

また、ミストコレクターなど単体設備であればメーカーから直接購入する方法もありますが、大規模な局所排気設備では設計施工会社の技術力も重要です。

現場写真や図面だけで判断せず、可能であれば実際の加工状況を確認してもらい、発生物質や作業方法に合った設備を提案してもらいましょう。

STEP
装置の設置・ダクト工事を実施する

設備を決定したら、局所排気装置や集塵機の設置工事を行います。可搬式の小型集塵・脱臭装置であれば大規模工事を必要としない製品もありますが、固定式の局所排気装置ではフード、ダクト、排風機、排気口などの施工が必要です。

既存工場へ後付けする場合には、生産設備を停止できる日時も考えて工事スケジュールを組みましょう。また、天井や壁へダクトを施工する場合は、他の配管や空調設備との干渉にも注意が必要です。

工事完了後にフード位置を変更するのはコストが掛かるため、施工前に実際の作業者にも確認してもらい、工具交換や材料投入など通常作業を妨げない配置か確認しておきましょう。

STEP
設置後に吸引性能・制御風速を確認する

設備は設置しただけで完了ではありません。実際に運転し、発生するミスト、粉じん、ヒュームなどを適切に捕集できているか確認する必要があります。

法令上の局所排気装置であれば、対象となる規則に応じた性能要件を満たしているか確認します。また、フード周辺で煙などが漏れていないか、ダクトの接続部から漏れがないか、騒音や振動に問題がないかなども確認しましょう。

実際の加工を行った状態で試運転することが重要です。加工機を停止した状態では問題がなくても、加工時に発生する気流によって捕集できない場合があります。必要であれば風量調整やフード位置を修正し、最適な状態に設定します。

STEP
定期点検・フィルター交換を行い性能を維持する

局所排気装置は継続的なメンテナンスが必要です。フィルターやダクトへ粉じん・ミストが蓄積すると、圧力損失が増加して吸引風量が低下します。

フィルター交換時期は対象物質、発生量、稼働時間などによって異なるため、メーカーの基準だけでなく自社の使用状況から管理しましょう。

また、ファン、ベルト、ダクト、フードなどに異常がないか定期的に確認することも重要です。法令に基づいて設置される局所排気装置については、定期自主検査が必要になる場合があります。

「壊れてから修理する」のではなく、性能が低下する前に点検・清掃・フィルター交換を行う仕組みを作ることで、長期間安定した作業環境を維持できます。

排気装置コンシェルジュ

導入時は有害物質や発生状況を確認し、風量・設備を設計して設置します。導入後も性能確認や定期点検が重要です。

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精密部品加工向け局所排気装置についてよくある質問

最後に、精密部品加工向け局所排気装置についてよくある質問を解説します。必要な設備は加工方法や使用物質によって異なるため、自社の工程に合わせて判断することが重要です。

精密部品加工に局所排気装置は必要ですか?

すべての精密部品加工工場で、法律上必ず同じ形式の局所排気装置を設置しなければならないわけではありません。必要性は加工方法、使用物質、発生する粉じん・ガス・ミスト、作業場所などによって異なります。

ただし、切削、研磨、溶接、洗浄などではオイルミスト、金属粉じん、ヒューム、VOCなどが発生するため、作業者へのばく露や工場内への拡散を抑える設備が重要です。

また、有機則、粉じん則、特化則などの対象となる作業では、法令に基づいた措置が必要になる場合があります。まずは自社で使用する材料や薬品、作業方法を整理してリスクアセスメントを行い、必要な局所排気・集塵方法を検討しましょう。

NC旋盤やマシニングセンタにはどの局所排気装置がおすすめですか?

NC旋盤やマシニングセンタで切削油を使用している場合には、一般的にオイルミスト専用のミストコレクターが選択肢になります。工作機械内部から直接ミストを吸引し、油滴を捕集してから空気を排出することで、扉を開けた際などに工場へミストが流出する量を抑えられます。

アマノ、赤松電機製作所、アピステなどは工作機械向けミストコレクターを展開しています。

ただし、必要な風量は工作機械の容積、使用する切削油、加工方法などによって変わります。大量の油煙が発生する高速加工と比較的軽い切削では適切な機種が異なるため、加工機型式や稼働状況をメーカーへ伝えて選定してもらうとよいでしょう。

オイルミストには集塵機とミストコレクターのどちらが適していますか?

NC旋盤やマシニングセンタなどから発生するオイルミストを主に捕集したい場合は、一般的にはミストコレクターが適しています。

一般的な乾燥粉じん用集塵機は固体粒子を捕集することを想定しているため、大量の油分を吸引するとフィルターの目詰まりや性能低下が発生する可能性があります。

一方、ミストコレクターは油滴を分離・捕集するために設計されており、フィルター式、電気集塵式、サイクロン・遠心分離などさまざまな方式があります。

ただし、オイルミストと同時に煙状の微細粒子が多く発生する場合などは、高性能フィルターを組み合わせた製品が必要になるケースもあります。発生物質の状態を確認して選びましょう。

研磨・バリ取りで発生する金属粉じんにはどの装置がおすすめですか?

研磨やバリ取りなどで発生する乾燥した金属粉じんには、粉じん用の集塵機が基本的な選択肢です。作業位置が固定されている場合には囲い式フードやテーブル型、作業場所が変化する場合にはフレキシブルアームなどを使用して発生源から吸引します。

ただし、金属粉じんでは材質の確認が重要です。アルミニウム、マグネシウムなど一部の金属粉は燃焼・爆発リスクについても考慮する必要があります。

通常の乾式集塵機が適さないケースもあるため、金属名や粒径、発生量を必ずメーカーへ伝えましょう。単純に高性能フィルターを設置するだけではなく、火災・爆発リスクを含めた設備設計を行うことが重要です。

レーザー加工で発生する煙も局所排気装置で除去できますか?

レーザー加工で発生するヒュームや煙も、適切な集塵装置によって発生源から捕集できます。

レーザーマーキング、切断、穴あけなどでは材料が高温で蒸発・分解するため、非常に細かな粒子や臭気が発生します。そのため、微細粒子へ対応できる高性能フィルターや、臭気を低減する活性炭などを組み合わせた製品が適しています。

例えばチコーエアーテックでは、レーザーヒューム向け専用集塵機を展開しており、フィルターの目詰まり対策や活性炭による臭気低減機能を備えたモデルがあります。加工材料によって発生物質が異なるため、レーザー装置だけでなく対象材料も伝えて機種を選定しましょう。

有機溶剤を使用する場合はどのような局所排気装置が必要ですか?

有機溶剤を使用する場合は、まず使用する物質が有機溶剤中毒予防規則の対象か確認する必要があります。対象業務に該当する場合には、作業条件に応じて局所排気装置、プッシュプル型換気装置など所定の発散防止措置が求められる場合があります。

局所排気装置を利用する際には、フード形式に応じた制御風速など法令上の要件を確認する必要があります。また、有機溶剤蒸気を装置内部で処理して室内へ戻す場合などは、単純な粉じん集塵とは異なる検討が必要です。

活性炭など対象VOCを処理できるフィルター性能、使用量、防爆の必要性などを確認し、法令対応が必要な場合には専門業者や所轄労働基準監督署へ相談しましょう。

クリーンルーム内でも局所排気装置を使用できますか?

クリーンルーム内でも局所排気や局所集塵設備を利用できます。ただし、一般的な工場以上に給排気バランスや室圧への影響を考慮する必要があります。

クリーンルームから大量の空気を屋外へ排出すると室圧が低下し、外部から汚染空気が流入する可能性があります。そのため、局所排気によって排出する空気量に合わせて給気を設計することが重要です。

また、装置本体から粒子が発生しないか、排気を室内循環させる場合には十分なフィルター性能があるかなども確認します。精密部品、半導体、光学部品など高度な清浄度管理が必要な工程では、局所排気設備単体ではなく、空調・クリーンルーム設計を含めて専門業者へ相談するのがおすすめです。

局所排気装置を選ぶ際は複数メーカーへ見積もりを依頼した方がよいですか?

局所排気装置を導入する際には、可能であれば複数メーカー・設備会社へ相談するのがおすすめです。

局所排気設備は、単純な家電製品とは異なり、対象物質、加工方法、発生量、フード位置、ダクト長などによって最適な構成が変わります。同じ現場でも、一社は大型集中集塵設備、別の会社は加工機ごとの小型集塵機を提案する可能性があります。

見積もりを比較する際には本体価格だけでなく、施工費、ダクト、フィルター交換費、消費電力、保守費なども確認しましょう。また「なぜこの風量なのか」「なぜこのフィルターなのか」など選定理由を説明してもらうことで、価格だけでは判断できない設備の適合性を比較しやすくなります。

 

排気装置コンシェルジュ

精密部品加工の局所排気装置は、加工工程や発生物質、設置環境に合わせて選び、複数メーカーを比較することが大切です。

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局所排気装置のことなら排気装置ネットへ

精密部品加工の現場では、オイルミスト、金属粉じん、レーザーヒューム、溶接ヒューム、有機溶剤・VOCなど、工程ごとに異なる汚染物質への対策が必要です。

適切な局所排気装置を導入するには、吸引対象、発生量、必要風量、フィルター性能、設置環境などを総合的に確認しなければなりません。

局所排気装置の導入を検討している方は、排気装置ネットへご相談ください。用途や作業環境に応じた局所排気・集塵設備を比較しながら、自社に適した製品を検討できます。固定式設備だけでなく、工事不要で導入できる製品についても相談可能です。

どの局所排気装置を選べばよいか分からない場合も、まずは現在の加工工程や発生している粉じん・ミスト・VOCなどを整理したうえで、お気軽にご相談ください。

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