工場や研究施設など、有害物質を取り扱う現場では、局所排気装置の導入が重要な安全対策となります。ただし、局所排気装置は設置すればよいというものではなく、法令で定められた構造・性能・点検・届出などの要件を満たしていない場合、法令違反となる可能性があります。
本記事では、局所排気装置に関する設置基準の考え方や、設置義務が免除されるケース、設置しない場合に求められる対策などを詳しく解説します。これから局所排気装置の導入や見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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局所排気装置とは?
局所排気装置とは、工場や実験室などで発生する有害ガス・蒸気・悪臭・粉じんを、作業者が吸い込む前に捕集し、屋外へ排出するための設備です。化学系・製造業を中心に幅広い分野で導入されており、作業環境の安全確保に欠かせない装置といえます。
主な局所排気装置の方式は、次のとおりです。
- 囲い式:作業エリア全体を囲い、内部の有害物質を効率的に排出する方式
- 外付け式:発生源付近にフードを設置し、局所的に吸引する方式
- プッシュプル型換気装置:送風と吸引によって気流を形成し、有害物質を捕集口へ導く方式
取り扱う薬品や作業内容によっては、法令により局所排気装置の設置が義務付けられています。局所排気装置は、作業者の健康と命を守るための重要な安全設備です。
局所排気装置の設置基準とは
局所排気装置の設置基準とは、作業現場で発生する有害物質から労働者を保護するため、関係法令で定められたルールのことを指します。単に装置を設置するだけでなく、構造・性能・排気方法・点検体制まで含めて適切であることが求められます。
ここでは、局所排気装置を設置する際に押さえておくべき基本的な考え方を解説します。
構造・性能などが法令要件を満たしていること
局所排気装置は、労働安全衛生法および関連する各種規則に基づいて設計・設置する必要があります。ただし、すべての装置が同じ規則に該当するわけではなく、使用する化学物質の種類によって適用される法令が異なります。
代表的な例は以下のとおりです。
- 有機溶剤第1種〜第3種を使用する場合:有機溶剤中毒予防規則
- 特定化学物質第1類・第2類を使用する場合:特定化学物質等障害予防規則
また、局所排気装置の形式ごとに必要な制御風速が定められており、基準値を満たしているかどうかも重要な判断ポイントとなります。制御風速とは、フード開放時に確保すべき吸引風速のことです。
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有機溶剤中毒予防規則で求められる基準
有機溶剤中毒予防規則は、有機溶剤の蒸気による中毒や健康障害を防止するための規則です。有機溶剤第1種〜第3種を取り扱う作業では、原則として局所排気装置などの設置が必要となり、装置には一定以上の性能が求められます。
主な基準は以下のとおりです。
- 囲い式局所排気装置:開口部で制御風速0.4m/s以上
- 外付け式
- 側方吸引型:発生源で0.5m/s以上
- 下方吸引型:発生源で0.5m/s以上
- 上方吸引型:発生源で1.0m/s以上
- プッシュプル型換気装置:捕捉面で平均風速0.2m/s以上(±50%以内)
さらに、排気口の設置位置についても基準があり、原則として屋根上1.5m以上の高さまで立ち上げる必要があります。
特定化学物質等障害予防規則で求められる基準
特定化学物質障害予防規則(特化則)は、発がん性や強い毒性を持つ化学物質から作業者を守るための規則です。対象となる第1類・第2類物質を使用する場合、局所排気装置やプッシュプル型換気装置の設置が義務付けられています。
特化則では、物質ごとに必要な制御風速が0.5〜1.0m/sで定められているケースや、抑制濃度によって管理するケースがあります。そのため、使用薬品によってはスクラバーなどの排ガス処理設備が必要になることもあります。
制御風速が不足する原因と対策
制御風速の低下は、局所排気装置でよく見られるトラブルの一つです。主な原因として、粉じんや塗料ミストがフィルターに付着し、目詰まりを起こすことで排気能力が低下する点が挙げられます。
状態が悪化すると、吸引口付近の風速がほとんど出なくなることもあります。基本的な対策は、定期的な点検・清掃による性能回復です。また、捕集性能が不足している場合は、集じん方式そのものを見直すことも有効です。
現場対応としては、水まきなどで粉じんの発生を抑制し、装置への負荷を減らす方法も効果的です。
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1年以内ごとに1回の定期自主検査が必要
局所排気装置は、労働安全衛生法により1年以内ごとに1回の定期自主検査が義務付けられています。検査結果は記録として3年間保存しなければなりません。
有機溶剤を使用する塗装作業などでは、長期間の使用により風量低下が起こりやすく、気づかないうちに排気性能が基準を下回っているケースもあります。作業者の安全確保のためにも、定期的な検査は欠かせません。
なお、点検には専門知識が必要なため、多くの場合はメーカーや専門業者へ依頼するのが一般的です。
設置計画の届出
局所排気装置を新設・移設・改造する場合には、事前に設置計画の届出を行う必要があります。これは、装置が法令で定める構造や性能基準を満たしているかを行政が確認し、労働者の健康被害を未然に防ぐための重要な手続きです。
届出を行わずに工事を進めた場合、法令違反となるおそれがあります。設計段階から必要書類や提出期限を把握し、計画的に進めましょう。
局所排気装置の届出に必要な書類
局所排気装置の届出では、装置の性能や設置状況を確認するため、複数の書類提出が求められます。いずれも専門的な内容となるため、準備には注意が必要です。
主な提出書類は以下のとおりです。
- 機械等設備・移転・変更届
- 局所排気装置摘要書
- 局所排気装置計算書
- 排気系統図
- 排気ファンの製品図面
- 排気ファンの予想性能曲線図(選定書)
- 局所排気装置の製品図面
- 局所排気装置設置予定図(レイアウト)
- 建物配置図(周辺図)
書類点数が多いため、メーカーや専門業者に作成・提出を依頼するケースが一般的です。
届出が必要となる薬品
局所排気装置の届出が必要かどうかは、取り扱う薬品の種類によって決まります。特に、次の物質を使用する場合は注意が必要です。
- 第1種〜第3種有機溶剤
第1種:クロロホルム、四塩化炭素など
第2種:アセトン、イソブチルアルコールなど
第3種:ガソリン、石油ベンジンなど - 特定化学物質第1類・第2類
第1類は特に有害性が高く、厳重な管理が必要な物質です。第2類も慢性的な健康障害を引き起こすおそれがあります。
これらの薬品を扱う場合、局所排気装置の届出は必須となります。
局所排気装置設置の例外規定とは?
局所排気装置の例外規定とは、有機溶剤業務であっても、一定の条件を満たす場合に限り、設置義務が免除される制度です。すべての作業が対象になるわけではなく、明確な判断基準があります。
代表的な例外ケースは次のとおりです。
- 通風が十分な屋内作業場で、1時間あたりの有機溶剤蒸発量が常に許容消費量以下の場合
- タンク内部作業で、1日あたりの蒸発量が許容消費量を超えない場合
なお、判断基準は「使用量」ではなく蒸発量である点に注意が必要です。
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局所排気装置設置の設置基準を満たさないとどうなる?
ここからは、設置基準を満たさない場合のリスクについて解説します。
労働安全衛生法違反となり、是正勧告や行政指導を受ける
局所排気装置の設置基準を満たさない場合、労働安全衛生法および有機溶剤中毒予防規則などの法令違反に該当する可能性があります。
労働基準監督署の立入調査で不備が確認されると、是正勧告や改善指導が行われ、期限内に設備改修や運用改善を求められます。指摘を放置した場合、再指導や命令に発展することもあり、計画外の設備投資や業務調整が必要になるなど、事業運営に大きな影響を及ぼします。
有機溶剤中毒などの健康被害が発生しやすくなる
設置基準を満たしていない局所排気装置では、十分な捕集風速や気流が確保できず、有害物質が作業空間に拡散しやすくなります。その結果、作業者が有機溶剤蒸気を吸入し、頭痛やめまいなどの急性症状、さらには慢性的な健康障害を引き起こすリスクが高まります。
健康被害が発生すると、休業や配置転換が必要になり、人員不足や生産性低下につながる恐れがあります。
事故・労災認定により事業リスクが拡大する
基準未満の局所排気装置が原因で健康障害が発生した場合、労働災害として認定される可能性があります。その結果、労災対応や報告義務が発生し、場合によっては損害賠償や企業イメージの低下につながります。
また、取引先や顧客から安全管理体制を疑問視され、監査強化や取引条件の見直しを求められるケースもあります。設備基準違反は、単なる現場問題にとどまらず、経営リスクへ発展する点に注意が必要です。
局所排気装置ではなく発散防止抑制装置もおすすめ
局所排気装置の設置が難しい現場でも、有害物質の拡散を抑えながら安全性を確保しやすいのが発散防止抑制装置です。工事負担や運用条件に合えば、現実的な代替策として検討する価値があります。
発散防止抑制装置とは?
発散防止抑制装置とは、有機溶剤などの有害物質が作業空間へ広がる前に、囲い込みや吸着、気流制御などの方法で発散そのものを抑える仕組みや設備の総称です。局所排気装置のようにダクトで屋外へ排気する方式に限らず、発生源周辺で蒸気を抑え、作業者の呼吸域に入りにくい環境を作ることを目的とします。
現場条件によっては移動式で運用できるタイプもあり、スポット作業やレイアウト変更が多い工程でも導入しやすい点が特徴です。導入後は効果を測定等で確認しながら運用します。
発散防止抑制装置を導入するメリット
発散防止抑制装置のメリットは、ダクト工事や大規模な設備改修が難しい現場でも、曝露低減策を取りやすい点にあります。局所排気装置は設計・工事・設置場所の確保が必要で、レイアウト制約や工期の問題が出やすい一方、発散防止抑制装置は設置の自由度が高く、必要な作業点に合わせて対策を当てやすい場合があります。
また、移動式で運用できれば、複数の作業場所で共用でき、投資を集中させやすい点も利点です。さらに、作業手順や保護具と組み合わせて運用すれば、短期間で現場のリスクを下げやすくなります。
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