塗装や洗浄などの現場で欠かせない有機溶剤ですが、その取り扱いには労働安全衛生法に基づく「有機則」の厳守が求められます。対象となる44種類の物質を扱う事業者は、作業主任者の選任や半年に1回の環境測定、特殊健康診断といった多岐にわたる法的義務を負わなければなりません。
しかし、コストや設備面の課題から対策に悩むケースも多いのが実情です。
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そもそも有機溶剤とは?
有機溶剤とは、水には溶けない油、樹脂、ゴムなどを溶かす性質を持つ液体の有機化合物の総称です。主に塗装、印刷、接着、部品の洗浄といった幅広い産業現場で、材料を薄めたり汚れを落としたりするために活用されています。
最大の特徴は常温で蒸発しやすい「揮発性」にあり、目に見えない蒸気となって空気中に広がる性質があります。また、油に溶けやすい「脂溶性」を持つため、皮膚や呼吸器から体内に吸収されやすく、中枢神経や内臓に悪影響を及ぼすリスクもあります。
こうした便利な反面で人体に有害な性質を持つため、働く人の安全を守るための法的な管理基準として「有機則」が定められているのです。
有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは?
有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは、労働者の安全と健康を守るための法律である労働安全衛生法に基づき、有機溶剤の安全基準を定めた厚生労働省令です。規則内では、指定された有機溶剤を毒性の強い順に第1種、第2種、第3種に区分しています。
これらを使用する際には、有機則に定められた換気設備の設置や定期的な健康診断といった使用上の義務を守る必要があります。義務を果たさずに法令違反となった場合には、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるので注意しましょう。
有機則対象物質(一覧)
有機則で対象となる有機溶剤は第1種、第2種、第3種の3つに区分されており、以下の44種類です。
| 区分 | 物質名(別名) | CAS番号 |
|---|---|---|
| 第1種有機溶剤 | 1,2-ジクロルエチレン(二塩化アセチレン) | 540-59-0 |
| 二硫化炭素 | 75-15-0 | |
| 第2種有機溶剤 | アセトン(ジメチルケトン) | 67-64-1 |
| イソブチルアルコール(イソブタノール) | 78-83-1 | |
| イソプロピルアルコール(IPA) | 67-63-0 | |
| イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール) | 123-51-3 | |
| エチルエーテル(ジエチルエーテル) | 60-29-7 | |
| エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ) | 110-80-5 | |
| エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート) | 111-15-9 | |
| エチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ) | 111-76-2 | |
| エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ) | 109-86-4 | |
| オルトジクロロベンゼン(ODCB) | 95-50-1 | |
| キシレン(キシロール) | 1330-20-7 | |
| クレゾール | 1319-77-3 | |
| クロルベンゼン | 108-90-7 | |
| 酢酸イソブチル | 110-19-0 | |
| 酢酸イソプロピル(イソプロピルアセテート) | 108-21-4 | |
| 酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル) | 123-92-2 | |
| 酢酸エチル(酢エチ) | 141-78-6 | |
| 酢酸ノルマル-ブチル(酢酸ブチル、サクブチ) | 123-86-4 | |
| 酢酸ノルマル-プロピル(NPAC、ノルマルプロピルアセテート) | 109-60-4 | |
| 酢酸ノルマル-ペンチル(酢酸ノルマル-アミル) | 628-63-7 | |
| 酢酸メチル | 79-20-9 | |
| シクロヘキサノール | 108-93-0 | |
| シクロヘキサノン(アノン) | 108-94-1 | |
| N,N-ジメチルホルムアミド(DMF) | 68-12-2 | |
| テトラヒドロフラン(THF) | 109-99-9 | |
| 1,1,1-トリクロルエタン | 71-55-6 | |
| トルエン(トロール) | 108-88-3 | |
| ノルマルヘキサン(N-ヘキサン) | 110-54-3 | |
| 1-ブタノール(ノルマルブタノール、ノルマルブチルアルコール) | 71-36-3 | |
| 2-ブタノール(SBA、セカンダリーブチルアルコール) | 78-92-2 | |
| メタノール(メチルアルコール) | 67-56-1 | |
| メチルエチルケトン(MEK、2-ブタノン) | 78-93-3 | |
| メチルシクロヘキサノール | 25639-42-3 | |
| メチルシクロヘキサノン | 1331-22-2 | |
| メチル-ノルマル-ブチルケトン | 591-78-6 | |
| 第3種有機溶剤 | ガソリン | 8006-61-9 |
| コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む) | 65996-92-1 | |
| 石油エーテル | 8032-32-4 | |
| 石油ナフサ | 64742-95-6 | |
| 石油ベンジン | 64742-49-0 | |
| テレビン油 | 8006-64-2 | |
| ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット等) | 64475-85-0 |
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有機則の対象物質を使用する場合の事業者の義務
有機則の対象物質を使用する場合、事業者には「作業者のばく露を防ぎ、中毒を未然に防止するための管理体制づくり」が求められます。
具体的には、以下のとおりです。
- 有機溶剤作業主任者の選任
- 掲示と保管
- 作業環境測定の実施
- 有機溶剤健康診断の実施
- 換気装置の設置
これらは現場の安全水準を維持するための実務要件です。各義務の目的とポイントを押さえることで、過不足なく対応できます。
有機溶剤作業主任者の選任
屋内の作業場で有機溶剤を扱う際には、試験研究業務などの一部を除き、現場の監督者として「有機溶剤作業主任者」を選任しなければなりません。主任者になるには、2日間の技能講習を修了し試験に合格する必要があります。
主な職務は、
- 作業方法の決定と労働者への直接的な指揮
- 換気装置の1か月以内ごとの定期点検
- 保護具の使用状況の監視
などです。万が一の事故を防ぐための司令塔となる存在であり、事業者は適切な能力を持つ人材を育成し、その責任を明確に持たせることが法令上不可欠な要件となっています。
掲示と保管
有機溶剤を扱う現場では、安全管理のために掲示と保管が義務づけられています。掲示については、作業主任者の氏名と職務、薬品が人体に及ぼす影響、さらに第1種は赤、第2種は黄、第3種は青といった区分を、作業中でも容易に確認できる場所に表示しなければなりません。
また、貯蔵の際は、漏洩や蒸発を防ぐために栓等をした堅固な容器を用い、換気の良い施錠可能な場所に保管する必要があります。使い終わった空容器についても、放置せず密閉するか屋外の指定場所に集積することが求められ、細部まで徹底した管理が不可欠です。
作業環境測定の実施
第1種または第2種の有機溶剤を使用する屋内作業場では、空気中の有害物質濃度が基準値以下に保たれているかを、半年に1回、定期的に測定しなければなりません。この作業環境測定は国家資格を持つ作業環境測定士が行う必要があり、社内に該当者がいない場合は専門の登録機関へ委託します。
測定結果に基づき、必要であれば直ちに設備の改善や作業方法の見直しを行うことが求められます。また、測定の記録は3年間保存する義務があり、継続的な環境改善の証跡として管理が必要です。
有機溶剤健康診断の実施
有機溶剤を扱う業務に常時従事する労働者に対しては、通常の健康診断とは別に、雇い入れ時、その後6か月ごとに1回の「有機溶剤健康診断」を実施しなければなりません。これは薬品による中枢神経や内臓への影響を早期に発見するための特殊な健診です。
費用は全額事業者が負担するルールとなっており、第3種溶剤であってもタンク内部などの閉鎖空間で作業する場合は対象となります。従業員の健康状態を定期的に把握し、医師の意見を聞きながら必要に応じて措置を講じることが、事業主の大きな責務なのです。
換気装置の設置
有機溶剤の蒸気が作業場に滞留するのを防ぐため、薬品の区分や作業内容に応じた適切な換気装置を設置する義務があります。
換気装置には以下の3つが挙げられます。
- 局所排気装置:発散源の近くで空気を直接吸い込みダクトで排出する仕組み
- プッシュプル型換気装置:「空気を送る側(プッシュ)」と「吸い込む側(プル)」で一定の空気の流れを作り、蒸気をその気流に乗せて屋外へ排出する装置
- 全体換気装置:外気を送り込んで部屋全体の汚れた空気を薄め(希釈し)ながら、換気扇などで屋外へ追い出す装置
設置した装置は作業主任者が毎月点検し、常に正常な機能を維持しなければなりません。現場の状況に応じて最適な機種を選ぶことが大切です。
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換気装置の設置が難しい場合の対処法
建物の構造上、ダクト工事が困難だったり、コスト面で大規模な設備導入が難しかったりする現場は少なくありません。しかし、有機則を遵守しないまま作業を続けることは、法令違反や労働者の健康被害を招く重大なリスクとなります。
こうした課題を解決するには、薬品そのものを見直すか、代替装置を活用するかの2つの道があります。現状の作業環境を維持しながら、法的義務を大幅に軽減できる具体的な対処法についてみていきましょう。
有機則非該当の溶剤への切り替え
まずは、労働安全衛生法の「有機則」に該当しない溶剤(非有機則溶剤)へ切り替えることです。市場には、洗浄力などの性能を維持しつつ、規制対象外の成分で構成された代替薬品が存在します。
最大のメリットは、切り替えによって「有機則の適用対象外」となるため、高価な換気設備の設置だけでなく、半年に1回の環境測定や特殊健康診断、作業主任者の選任といった全ての法的義務が不要になる点です。
ただし、薬品によってはコストが増加したり、乾燥速度や溶解力が変化したりする場合があるため、作業効率への影響を考慮して選定する必要があります。
発散防止抑制装置(代替措置)の導入
ダクト工事が物理的に難しい現場で注目されているのが、「発散防止抑制装置」の導入です。これは、局所排気装置などの代わりに、薬品の蒸気が作業者の呼吸圏内に広がるのを防ぐ特定の装置を設置する代替措置です。
所轄の労働基準監督署長から「代替措置」としての認定を受けることで、外気への排気設備がない環境でも、法的義務を省略・軽減できる可能性があります。
株式会社ベリクリーンの「ベリクリーンエア」なら、従来の局所排気装置に代わる代替措置として有効です。局所排気装置に代わる発散防止抑制装置として、屋外への排気ダクトを一切必要とせず、低コストかつスピーディーに設置できます。
有害物質の吸引はもちろん、工場内の嫌な臭いも徹底的に除去。作業員の吐き気、頭痛、倦怠感といった健康被害も未然に防ぎます。
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よくある質問(FAQ)
有機溶剤の管理や規制については、現場から多くの疑問が寄せられます。ここでは、特に質問の多い項目について、実務に役立つ視点から回答します。
有機則の対象外となるものは?
基本的に「屋外」での作業や、法令で定められた「許容消費量」を下回る微量の使用であれば対象外です。ただし、少量であっても労働基準監督署長から「適用除外認定」を正式に受けていない場合は、全ての法的義務が継続するため注意が必要です。
また、有機則に該当しない成分(非有機則溶剤)への切り替えも有効な手段です。
シンナーは有機溶剤ですか?
はい、シンナーは代表的な有機溶剤です。シンナーは単一の物質ではなく、トルエンやキシレン、酢酸エチルなどを用途に合わせて混ぜ合わせた「混合物」を指します。
使用する際は安全データシート(SDS)を読み、必要に応じて換気装置の設置や防毒マスク、化学防護手袋の着用など対策しましょう。
ガソリンは有機溶剤ですか?
はい、ガソリンは有機則における「第3種有機溶剤」に指定されています。燃料としてのイメージが強いですが、洗浄用などで扱う際は規制の対象です。
第3種は第1種や第2種に比べて毒性は低いと分類されていますが、タンク内部などの通風が不十分な場所で作業を行う場合には、換気装置の設置や健康診断の義務が生じます。
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有機溶剤中毒予防規則(有機則)は、44種類の物質を扱う現場で労働者の安全を守る法的基準です。事業主には作業主任者の選任、環境測定、健康診断、換気設備の設置が義務付けられています。
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